Sunday 19 June 2011

モスクワに行ったら恋しよう

現在入院中。暇潰しに予告編の新しいバージョンを作りました。
音楽は、シストラというハバロフスク出身のバンド。最高かっこいいです。
シストラはハバロフスクでホテルに宿泊させて貰えなかった僕を家に泊めてくれた良い人達です。
現在はモスクワに活動拠点を移し、本格的に活動しています。
ヴォーカルが結構特徴的なのですが、カットしちゃいました!


Friday 3 June 2011

モスクワに行ったら恋しよう

カムチャツカから帰って来て半年が経過しました。実際にカムチャツカに引っ越しをしたのはもう4年前ですが、引っ越しの際に中野の中古カメラ屋さんでビデオカメラを買って行きました。当初は漠然とカムチャツカで自主映画を撮影するという事を考えていましたが、3年生活する中でアイデアや協力してくれる人を見つけ、「モスクワに行ったら恋しよう」というタイトルで57分の映画を撮影しました。撮影終了から半年以上が経過し、ようやく完成の目処が経ってきました。カムチャツカといえば自然、熊、火山という話以外には滅多に画像/映像では表に出て来ませんが、当然人口の9割以上は町に住んでいます。そのペトロパヴロフスク・カムチャツキーという町に焦点を当てた映像を2010年という節目(?)に残す、また、自分が3年間住んでいた感じたとても貴重な体験を共有できればという思い出撮影しました。
もう少しで完成できると思いますが、そのときは何か良い報告ができればと思います。

Thursday 25 February 2010

電子レンジ2

2年間迷って3ヶ月前に購入した電子レンジですが、早速働かなくなりました。「人生はもっと簡単だった」というステッカーを残したまま、働かなくなりました。これは市場原理主義社会に傾倒している僕自身への何かの警告かのように思い、しかしもう便利な機械に慣れてしまい、電子レンジ無しの生活などは想像もできなくなってしまったため、保証書を持参し購入した家電ハイパーマーケット・ドルージュバ(友情)に向かいました。
しかし修理センターは別の場所だという事で修理センターまで車で移動、すると中には同機種の電子レンジがおよそ3台既に集まっていました。
「書類」と言われたので保証書を提出。
同封されていた保証書には4つのバーコード、4つの購入スタンプ、担当者のサイン、製造シリアル番号が記載されていた為問題ないように思えましたが、「購入したという証拠が無い」と突き返されてしまいました。
しかしこの証明書には沢山の証拠がありますよと反論するも
「私は何もできません」と守りに入られてしまいました。
また家電ハイパーマーケット・ドルージュバ(友情)の本部に向かい、店長と接触。
店長はレシートを持ってくれば証明できるとの事でしたが、レシートを取りに帰るのも面倒なので交渉。
この状況を分析すると確かにレシートを持参しなかった自分の落ち度は見て取れるものの、相手の求めるものは「購入した証拠」な訳で、それは明らかに保証書に記載されているために納得が行かず、この4つのバーコード、4つのスタンプ、担当者のサインと製品シリアル番号は何のためにあるのでしょうかと問うと、「それはそれ」と言われてしまいました。確かにこれはこれです。
この店はバーコードで商品の処理をしているので、ここにも記録は残っているはずではないですかと問うと何と、「それもそうだ」と言って店長は歩いて行きました。
その際4つのバーコード、4つのスタンプ、担当者のサインと製品シリアル番号が記載された保証書は持参もメモもせずに店長は事務所に向かって歩いて行きました。
数分後に店長はやって来て
「君のレシートは見つかった。修理部の人間に電話しておいたから大丈夫だよ」
と、やはり人生は思ったより簡単な結果になりました。何の手がかりも無しにレシートを見つけ出すとはやはり人生簡単なのかもしれません。
ご親切をどうもありがとうございますと言うと
「その代わり日本からカニを1kg持って来いよ」
と日露カニ密輸問題を示唆するかのような軽いジョークを挨拶代わりにされました。

Monday 28 December 2009

年末商戦

ペトロパブロフスク・カムチャツキーでは今年も年末商戦が繰り広げられています。ロシアではクリスマスプレゼントとは言わず、新年のプレゼントと言うように、プレゼント交換は31日の夜。つまり今が1年で最も売り上げを出す時期なのです。町最大のショッピングセンター「シャムサ」も勿論この時期の売り上げを伸ばすために多くの割引や新製品の入荷を行い、多くの客を引き寄せています。
先日シャムサへ日用品を買いに行ったところ、年金生活者の様なおじさんが「この商品は一体何ルーブルなのだろうか」と困惑して店員に質問していました。店員の若い女子はこれ以上迷惑な客は今まで存在しなかったかのように「この棚に書いてある値段を見ろ、159ルーブルだ」と言い放ち去って行きました。その棚一杯に並んでいた159ルーブルの商品は「トリャビャンチック」(写真1)という意味の分からない商品。
トリャビャンチックのそのサイケデリックな姿に衝撃を受けたカスタマー達は次々に購入していました。という事で僕も迷わず購入。本来食料品売り場であった為、その時同時に購入したキャベツや玉葱などと一緒にレジのおばさんがそれを捌きます。キャベツや玉葱と同じ袋に入ったトリャビャンチックを家まで持ち帰ります。シャムサから帰宅する際にバスの中でトリャビャンチックを除いていると、隣に座っていたおばさんから「一体その商品を何処で購入したのか」という質問を受けました。
何とも愛らしいこのトリャビャンチックですが、パッケージ裏面には説明が書かれています(写真2)。1:3−4時間水に浸ける。2:日の当たる場所に置く。3:霧吹きで水をあげ続けるとそのうちに頭から草が生えてくる。4:8−10センチほどに草が伸びてくるので適度に鋏等で草を刈る。
トリャビャンチックはモスクワから輸入されてきた物のようで、パッケージ裏面にはその会社名や住所、ホームページまで記載されていました。
情報が欲しい方にはこのホームページを閲覧する事をお勧めします。
http://www.aveaurica.ru/content/view/20/125/

159ルーブルという金額は500円弱。同じ値段で森永の輸出用豆腐が売られていました。ロシアで豆腐を食べた事が無いので若干迷ったものの豆腐は諦めてトリャビャンチックを購入しました。

Thursday 24 December 2009

避難訓練

1ヶ月近く前にペルミのナイトクラブにて店内で使用した花火による火災が発生、100人以上の若者が死亡するという大惨事がありました。このニュースは連日ニュース番組のトップで、大統領もTVでコメントを発表し、ペルミの官僚と公開会議などを行い、新たに避難経路の確保等に関する規制を作りました。そのニュースはロシア全土に衝撃を与え、そしてその新しい規制は勿論ロシア全土に発令されたようです。。。
そしてその災害から約1ヶ月、僕の勤めるКГТУ(カムチャツカ国立技術大学)でも災害時に備えて避難訓練が行われました。
授業中に学部長が突然教室に入って来て、
「あと20分したら避難訓練が始まるから皆さん授業は中断してコートを着て、警報が鳴ったらすぐに非常口を経由して外へ出てください。」
学生の反応は「ははは」
時間になったら予告通りにもの凄くかっこいい警報が流れ、機械的な声で「火事です、皆さん外へ出てください」をループしていました。その警報機から流れる音は正にダブそのものでした。
学生達は勿論、職員も誰一人として訓練というものを意識せず、みな「ははは」と嬉しそうに話していました。職員室でも状況は同じで、皆全く関係のない話で盛り上がりながら靴を履き替え、マフラー、帽子、コートを着込み、鏡でスタイルをチェックし、鞄を持ってやっと外に出ました。外に出るにあたり、誰一人として非常口を利用する者は無く、通常の出口を利用し出た瞬間に皆タバコを吸うものだから出口周辺は渋滞となっていました。なぜ誰も非常口を利用しなかったかというと、非常口は1階に1つしかないからで、メインの入り口は2階にあります。僕が勤める7号館は5階建ての建物なので、4/5の学生や職員は2階の出入り口を利用した方が便利な構造となっています。しかも1階の非常口は1つしかないうえに非常に小さく、ここに7号館の学生、職員約1000人が集中したら2次災害を引き起こすだけです。
そして外に出た学生及び職員は、タバコを吸いながら新年の計画等に関して話し合っていました。つまり、目的の一つである「外への退避」が完了してしまった以上はやる事が無く、世間話をしていた訳ですが、突然誰かが「ああ、そういえば」といった具合に大学図書館の方向へ歩き出しました。途中に何件かの店があり、丁度お昼時という事もあってお店に入ってしまう学生や職員も多かったものの無事に図書館の前に着くと、そこには既に20人程度の学生及び職員が集まっていて、一人のおじさんを囲むように皆立っています。おじさんは何かを言っているのですが誰も聞いていません。おじさんは防災センターから派遣されて来た役員ぽい感じでしたが、素性は誰も知りません。そのおじさんの台詞は非常に印象的で、「退避にこんなに時間がかかっているようでは手遅れになる。。。」「日頃から避難経路の確認は大切。。。」などと話してくれました。最後におじさんはそこに集まった100人弱の学生及び職員に対して、「何か質問はありますか?」と問いましたが、誰も無反応で、そのうちにおじさんは「さようなら」と言って帰って行きました。
その後も学生及び職員はその場でタバコを吸う、コーヒーを飲むなどして談笑した後にそれぞれの教室へと帰って行きました。職員室に戻ると、職員達は紅茶とお菓子を楽しんでいました。授業開始のベルが鳴りましたが、「外に出たくもないのに出て体が冷えきったから紅茶を飲んでからでないと働けない」と言いながら暫くの間談笑していました。そのうち他の職員が入って来て一人の職員に聞きました。
「火事どうだった?」
「いや、別に」
という会話を最後に、避難訓練に関する話は終わりました。
実はこの大学にも授業中に災害が発生した場合は担当講師が学生の人数を確認、引率して非常口経由で図書館前に集合。学部長に人数を報告。という決まり事が存在しています。でもそんな事は皆忘れてしまっていて、訓練のレベルでもどこに行けば良いのかを分かっていませんでした。
日本での避難訓練も皆へらへらして成り立たないものですが、一応皆避難はすると思います。我が大学での避難訓練は想像を絶していました。違いは明確で、責任者がしっかりしていない事です。責任者とはこの場合大学職員です。自分も含めてですが、責任者がしっかりしない限りは実際に災害が発生した場合に不要な犠牲者を出す事でしょう。
ペルミの火災は実に痛ましい事故ですが、このような失敗から学ばないとまたすぐに同様の災害いが発生するでしょう。

Saturday 21 November 2009

電子レンジ


2年間迷いながらも中々手を出せなかった電子レンジをついに購入。
地元で頑張っているドルージュバ(友情)という大型電気店で2400ルーブルという友情価格で購入しました。今まではあまり欲しいと思った事はなかったのですが、今年はどうもこういう物が欲しいと思い、つい買ってしまいました。自分がこのような行動に走った背景には、先進国への憧れというものが伺えると思います。実際に電子レンジがあるかないかでは、キッチンの存在感が全く違います。そんな電子レンジにはステッカーが貼ってあり、「人生がもっと簡単になる」と書かれていました。
近代化により簡単になったのは人生だったのかと初めて知りながらも、これは以前YAMAHAが発売した世界一軽いギターの、「軽さは可能性を広げる」というキャッチフレーズに似ているなあと思いました。また、ツガン(ジプシー)の人に集られて5ルーブルあげたときに、「あなたの人生は全て上手く行く」と言われた事にも似ていると思いました。5ルーブルや電子レンジさえあれば人生は上手くいくのです。
そんな電子レンジですが、こちらの家電量販店では2400ルーブルが最安値でした。値段の幅はあるものの、通常のもので5000ルーブル程度も出せばいいものが買えます。販売されている会社は日本のものもありますが数で勝っているのは韓国製の商品です。僕が今回購入した商品はROLSENという韓国のメーカーのものです。
ロシア人に見せたら「これはロシアの会社だ」というのでインターネットで調べてみたところ、韓国/ロシア市場を主にターゲットといている会社のようです。韓国の会社でロシア市場をメインターゲットの一つとし、名前がROLSENと北欧っぽくしているところがニクい演出です。僕もSAMSUNGかROLSENかという選択肢を迫られたら北欧っぽいしという所でこのROLSENを選ぶでしょうし実際に北欧の会社だと思って購入しました。
モスクワ方面ではどのような事情かは知りませんが、カムチャツカでは電化製品は韓国のものが多いようです。TV、冷蔵庫、洗濯機に至まで日本でも馴染みの深いSAMSUNGやHYUNDAI、LGなどが多くの市場を獲得しています。値段も日本製のものに比べて格安で品質もデザインも優れているという位置づけなのでしょう。
そんな家電を取り扱う大型量販店「ドルージュバ(友情)」が半年程前にカムチャツカにも1軒できました。ヤマダ電機ぐらい大きく中に入るとこれはもうカムチャツカではないような錯覚に陥るほど立派なもので、こういったお店が一軒一軒できていく事により町は発展していくのでしょう。
大型ショッピングセンターといい家電量販店といい、僕が来た時にはなかった近代的な店が多く作られていく事で消費活動も盛んになっていくようですが、雇用も給料も拡大していって欲しいものです。
もしカムチャツカが自治州や共和国だったら、町はもっと発展する事だろうと思います。
こういう町の場合、市場原理主義に上手く乗っかる事ができればきっとそれは町の発展に繋がるのでしょう。

Tuesday 17 November 2009

アルコール


日本の生活では交際費が非常に高く付きますが、カムチャツカではあまり高くありません。第一に第三次産業が殆ど発達していないという点が上げられます。友人と面会しようと言っても、どこかのカフェで会おうにも行きたくなるようなカフェが少なく、行っても大した事が無い訳でしたがって家で飲む場合が多くなります。
その時にビアが安いというのは全く持って心強い限りであり、このドラフトビア量り売りシステムは本当に驚愕のシステムです。
町の至る所にあるキオスクスタイルのビア屋さんでおばさんにペットボトルを渡してそこにビアをサーバーから注いでもらいます。カムチャツカという名前のこのビアの値段は1.5リットルで90ルーブル(約300円)です。新鮮で飲みやすく、ガスも入っていないために非常にまろやかで喉越しもかなり良いです。4%のライトなアルコール度数は、もはやビアでは無く別の新しい種類の飲み物であるかのような錯覚を覚えさせる程の爽やかさです。
カムチャツカでは全ての水道から出る水がそのまま飲めます。水の味もとても美味しいので、ビアが美味しいのも納得できます。
「カムチャツカ」がペトロパブロフスクを代表するビアであるのに対し、隣町エリゾボも半年程前から新しいビアを販売しています。「ババロスコエ」という名前で、バイエルンという意味です。なぜカムチャツカでバイエルンなのかとも思いますが、こちらはピルスナースタイルのやはり飲み口爽やかなビアで、2年間1位の座をキープし続けたカムチャツカの地位を揺るがす存在です。こちらも値段は1.5リットルで90ルーブルです。
1.5リットルで300円という事は1000円もあれば4.5リットルも飲めてしまうという事になります。
しかしここで問題になってくるのが、ビア以外のアルコール飲料です。ビア以外のチョイスとしては、ヴォトカ、ワイン、コニャック、シャンパンが一般的です。
ヴォトカはこれは恐らく全てのアルコール飲料の中でも一番選択肢が広いと思われます。安い物で0.5リットル70ルーブルからあります。これは勿論大変酷い内容のヴォトカで、もはや飲み物ではありません。一般的には0.5瓶を150ルーブル程度で買うとまあ悪いヴォトカではないという認識のようで、勿論高いものになると400ルーブルぐらいのもあります。が、正直違いがあまりわかりませんしそもそもヴォトカは理解不能な飲み物です。ヴォトカの位置づけですがこれはどうも若い人達の間ではそんなに市民権を獲得しているようには見えません。アルコール中毒者や中年以上の男女に親しまれているように見受けます。勿論パーティや何かでヴォトカを飲もうという習慣は若者の間でも浸透していて、これはやはりロシア文化の一つなのであろうと思います。ワインは輸入もの、国産ものが多く存在しています。輸入ものは通常の0.75ボトルで値段に差があるものの、日本で安く販売されているようなスペイン産、チリ産のものなどは500ルーブル以上はします。比して国産ワインというものがあり、これはコーカサス地方で作られているものが多いようです。僕はよくクバンのワインを買いますが、これは1リットルで150ルーブルで、小さなお店でもよく売っている安いワインの代名詞的存在で、日本で言うところの「うれしいワイン」のような位置づけでしょうが味は悪くありません。
コニャックはロシアに来るまでは正直あまり飲んだ事の無い飲み物でした。VSOPなどのブランデー類と同類に日本の市場では扱われているようで、フランス産のものをブランデー、ロシア(関係の国)産のものをコニャックというそうです。このコニャックも40%強のアルコール度数を誇るものの、「味がある」という点においてヴォトカとは大きく異なります。値段もヴォトカの2倍以上はします。このコニャックがかなり浸透している印象で、ヴォトカなどを毛嫌いする人間にも好評で、酒自体あまり好きではない女性でも、コニャックなら飲めるなどと言わせてしまう程に魅力的なようです。
女性にはシャンパンが人気です。日本ではあまり普段からシャンパンを飲むという事は少ないと思いますが、ここでは日本でビアが嫌いな人がカクテルを頼むという程度にシャンパンが飲まれています。安いもので1リットルのボトルが150ルーブルからあり、値段も安いので手を出しやすくなっています。
さてこれらが一般的なアルコールのチョイスであり、つまりカクテルというものがあまり人気がありません。理由は簡単でリキュール関係が恐ろしく高額だからです。これはもはや恐怖です。
まず1リットルのJ・ダニエル。これが2200ルーブル(およそ6600円)もします。日本では1580円程度のものです。またユーティリティ系ジンとして知られるビフィーター、日本のやまやなどでは1280円程度で販売されている1リットル瓶ですが、これも1800ルーブル(5400円)もします。女性に人気のベイリーズも同様、リットル2000ルーブルを超えます。こうも高くなってしまってはこれらの酒類を飲む意味というものが変わって来てしまいます。
このような値段事情が関係してビア・ヴォトカがやはり一番人気な飲み物となっています。高いものに手を出さなくても美味しいものがあるというのであれば、当然そちらに目がいく訳でそうやって行けば交際費も必然的に安く納まっていきます。
時々カクテル関係が飲みたくなるものの、トータル的にはカムチャツカの酒事情はかなり気に入っています。
一番美味しいものが一番安いという環境は非常に魅力的ですね。

写真はパッケージされて売られているカムチャツカ。0.6リットルで100円程度。